品質安全基本方針
菊水酒造株式会社(以下「当社」といいます)は当社が製造・販売した製品の品質と安全に対するお客様の信頼を確保することが当社の経営上の重要課題であるとの認識のもと、下記の通り製品安全に関する基本方針を定め、製品安全と安心の確保に努めてまいります。
1. 法令遵守と社内教育
当社は、製品安全に関する関係諸法規に定められた義務(正確な表示義務等)を遵守いたします。そのために必要な社内教育を継続的に実施します。
2. 社内自主基準の確立
当社は、この基本方針に基づき、製品安全に関する法基準を上回る社内自主基準を策定・実践し、継続的な改善を行うことにより「お客様により良い酒を提供する」企業理念を堅持します。
3. 製品安全確保のための品質管理
当社は、製品安全を確保するため、「菊水品質管理手順」に従って、常に適正な品質管理を行い、その向上に努めます。
4. 製品事故・クレーム情報の収集と開示
当社は、当社製品に係る事故・クレーム等について、その情報をお客様等から積極的に収集するとともに、お客様等に対して適切な情報提供を行い、消費者保護に必要な場合はその対策(ラベル上での注意表示等)を行ってまいります。
5. 重大製品事故の報告と危害の発生・拡大の予防措置
当社は、当社製品について重大製品事故が生じたときには、関係諸法規に基づき、迅速に所轄官庁等に当該事故の報告をすると同時に、必要と認められるときは危害の発生・拡大予防措置を講じ、適切な情報提供方法を用いてお客様をはじめとした関係各所に告知いたします。
6. 社内通報者の保護
当社は、業務に関する社員からの疑問・相談・報告は全て誠実に対応し、通報者が不利益な処遇を受けないように必ず保護します。
安全な原材料
原料米について
原料米調達
ポジティブリスト制度の主旨、規定された条件などを原料供給者に周知し、適正な原料を調達しています。
原料米履歴管理システム
原料米は生産地別、生産者別に、貯蔵・管理するシステムにより、それぞれのお酒に使われている米が、いつ、どこで作られたものかをデータ管理しています。
カドミウム定量検査
玄米6トンごとに基準値以上のカドミウムが含まれていないか検査を行なっています。
残留農薬対策
精米や原料米を大量の水で2回水洗い(洗米工程と浸漬工程)した後、加熱処理(蒸米工程)を行なうことなどにより、水溶性残留物質の除去や化学的に不安定な物質の減少が期待されます。
※一般的に米に残存する農薬等は、精米により80%ほど減少させることが出来ると言われています。 ※厚生労働省の広報において、食品素材に残存する農薬等は水洗いと加熱処理によって減少させることが出来るとされております。
原料米の色彩選別
色彩選別機にかけることにより、不良米を除去し、酒造りにとって良い米だけを選別して使用しています。
米以外の原材料について
安全証明書
製造途中段階で用いられる活性炭やフィルターなどの道具は、より安全な材質のものに改善を図り、これらについての安全証明書があり、いつでも公開できる準備が整っています。
MSDS(化学物質等安全データシート)
MSDS制度に基づき、化学物質等を安全に管理しています。
※MSDS制度とは?「第一種指定化学物質、第二種指定化学物質及びそれらを含有する製品(指定化学物質等)を他の事業者に譲渡・提供する際、その性状及び取扱いに関する情報(MSDS:Material Safety Data Sheet)の提供を義務付ける制度」をいいます。
水について
定期水質検査
分析機関によって、水道法に定められた項目以上の検査を行っています。(年1回)
仕込水
目の細かいミクロフィルターを通して、細菌を取り除いています。
※0.2μフィルター
「米トレーサビリティ法」への対応について
米トレーサビリティ法とは…
食品事故や産地偽装などの問題が発生した際に、流通ルートを速やかに特定するために施行された「米トレーサビリティ法※」。「記録=米穀(米や加工品)の取引等の記録を作成・保存すること」については、すでに平成22年10月1日より施行されておりましたが、さらに平成23年7月1日より「伝達=産地情報を取引先や消費者に伝達すること」が義務付けられました。 ※「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」
清酒においては…
清酒における産地情報を商品に直接記載することで伝達する場合、国産米の場合は「国内産」「国産」などと記載します。都道府県名や一般に知られた地名の記載も可とされています。外国産米の場合はその「国名」を記載します。 ただし、平成23年7月1日以前に国内で生産され、生産者から譲り渡された米穀等を原料とする米加工品(この場合、清酒)については、産地記載の義務はありません。
清酒は一定期間貯蔵した後に出荷する商品も多いので、7月1日以降も産地情報が記載されていない商品が出荷される状態がしばらく続くと想定されます。
菊水酒造では…
菊水酒造は米トレーサビリティ法に準拠し、各商品の表示を変更し、順次切り替えています。
生産工程
異物混入防止対策について
精 米比重選別機
粗撰石抜き機玄米の比重範囲に当てはまらない異物を選別し、除去します。
風撰機白米より軽い異物を選別し、除去します。
異物除去機
クリーンセパレーター1.2~1.5mmの網目を通して異物を除去します。
色彩選別機
マジックソーター精米された米に混入している植物の種子や害虫による被害粒など、 米と色目の異なるものを小型カメラで感知し、また不良米など色目が同じものはNIR(近赤外分光)で識別することによって、これらの異物を99.7%以上の確率で除去します。
マグネット
精米所の各除去工程に設置されており、3000ガウスの磁力で金属類を除去します。
仕 込メッシュネット
発酵タンクの開口部を網で覆い、異物混入を防いでいます。
酒 粕金属検出機
酒粕は磁界を利用して金属異物を見つける金属検出機を通した後、出荷されています。
充 填ストレーナー
お酒の輸送途中でも、輸送ポンプの吸入口に装着された網目を通して、異物を除去しています。
ミクロフィルター
充填する時には、目の細かいミクロフィルターを通して、大部分の酵素や微生物を除去することで、滅菌しています。
※生酒…0.2μフィルター
火入れ酒…0.45μフィルター
空瓶検査機
洗瓶後は目視と、空瓶検査機によって、瓶口の天面・側面・瓶底の検査を行い、傷・割れ・異物のある瓶を除去した後、充填されます。
充填後のチェック
充填後には人の目によって瓶中に異物が入っていないかを検査しています。
衛生環境について
従業員への衛生教育
従業員への衛生教育のなかで、服装や手洗いから作業手順、機器類の洗浄手順を周知徹底するとともに、洗浄については記録に残し、微生物の繁殖や異物混入防止に努めています。
クリーンルーム
製品の充填はクリーンルームで行なっています。入室する際は、専用の防塵服・靴を着用、手指アルコール消毒、靴底洗浄を義務づけており、正しい手順で洗浄・消毒を行わないと中へ入れない仕組みになっています。また、クリーンルーム内への資材搬入口も、外気流入を最小限に抑える構造になっています。
工場内への出入り
工場内の資材搬入口には、連続式二重シャッターを設置しており、外気流入を最小限に抑えることにより、異物混入防止だけでなく工場内の温度も一定に保つ効果があります。また、入口壁、ライトを害虫が感知しづらい光波形の暖色系(オレンジ色)にすることで虫の進入を防いでいます。
井水浄化システム
仕込み水の30~40倍量が必要とされるビンの洗浄、ボイラーなどの雑用水は、井水から鉄・マンガンなど酒造りに適さない成分を除去する浄化システムを通じて、工場内に供給されています。
防虫対策
定期的に外部機関による飛翔昆虫調査を行い、製造工程における虫の混入防止策を実施しています。
品質管理体制
研究室について
研究開発
新商品の開発や、容器についての開発など、商品価値研究を進めています。
検査・分析業務
原料の安全性を確認、製造各工程での品質検査・分析を行なっています。
※米のカドミウム定量検査、生酒火落ち菌検査など
お客様からのご指摘商品の分析
お客様からご指摘いただいた商品について、一般成分分析、異物分析、官能検査などを実施し、科学的な根拠に基づいて、お客様にご報告しています。
ポジティブリストへの対応について
菊水酒造では、原料米の監視プログラムの導入・運営を計画しています
平成18年5月29日施行の「ポジティブリスト制度」導入について、原料米管理、製造工程において、農薬類(農薬および飼料添加物、動物用医薬品)に関する新たな規制に適合し、安心できる製品の供給に努めて参ります。
原料米について
本制度の主旨、規定された条件などを原料供給者に周知し、適正な原料供給を申し入れることにより対処します。
製造工程
製造工程では、農薬等に該当する物質を使用しておりません。
測定・監視プログラム
原料米の監視プログラムの導入・運営を計画しており、モニタリング対象の農薬は内外の最新の情報を得て調査・研究を行い、適宜見直しを行なっております。
返品処理について
菊水では、店頭から回収した商品並びに販売店様から返品されたお酒は、返品理由のいかんに関わらず全て廃棄処分しています。
社会にとってよい酒
環境負荷軽減への取り組みについて
有機の酒造り
菊水では第三者認定機関より「有機加工酒類」製造の認証を取得し、単に有機米を使用するだけでなく有機の生産行程管理に基づいた有機の酒造りを行っています。2007年11月には日本で初めて、アメリカ農務省が定める有機の基準であるNOP(National Organic Program)の認証を取得し、菊水で醸造した有機の酒をアメリカに輸出できることとなりました。これら有機に関する認証の取得と有機の酒造りを通じて全社員が環境保護の大切さを学び、人体や自然環境に配慮した酒造りに取り組んでいます。
地域振興について
菊水では、地域振興につながる活動を支援しています。これまで、地域振興に取り組む団体への寄付やコロナ禍に新発田市への消毒用エタノール寄贈等を行いました。その一環として、日本国内および米国のオーガニック認証を取得後、2009 年より、国内外での「純米吟醸オーガニック清酒」の売上金の一部を 『 NPO 法人 加治川ネット 21 』 様に寄付しております。また、菊水ショップにて販売している越後屋乃ん平さん作「ぐい呑み」の売上金を『 フードバンクしばた 』 様へ寄付しております。引き続き、地域振興につながる活動を応援していきます。皆様からの温かいご支援ご厚志をお待ちしております。
越後屋乃ん平さん作「ぐい吞み」
NPO法人 加治川ネット 21 様への寄付金のお渡し
お客様の声を大切に
お客様相談室
菊水酒造ではお客様一つ一つの声を大切にしながら、よりよい酒造りに活かしてまいります。
頂戴したご意見をもとに、改良した例をご紹介します。
「菊水のお晩です」のラベルを変更し、製造日を見やすくしました。
「製造日が見えにくい」とのご意見から、ラベルを製造日の見やすいデザイン・色合いに変更しました。
改善前
改善後
「ふなぐち菊水一番しぼり(現・菊水ふなぐち)」の缶蓋の仕様を変更しました。
お客様から「蓋を開けるのに力を要する」「蓋を開けたらタブが取れてしまった」というご意見をいただき、小タブ仕様に変更しました。
開ける時にこの部分に負担がかかり、ちぎれてしまうことがありました。
小タブ仕様にしたことで、より小さな力で缶が開けられるようになりました。